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解説記事

入札の辞退・無効・失格とは?|よくある原因と防ぎ方を入札心得から解説

国の機関の入札公告や入札説明書を読むと、「入札の辞退」「無効の入札」「落札者としない」といった言葉が出てきます。せっかく準備して入札書を出しても、書き方や手続きのちょっとした不備で入札そのものが無効になることがあります。

この記事では、Web制作・広報・調査・印刷などの小さな会社やフリーランスの方に向けて、

を、国の機関の入札心得・入札説明書や法令の書き方を引きながらまとめます。主に国の機関の一般競争入札を想定しています。地方自治体は根拠となる法令や運用が違うため、自治体の案件ではその自治体の規則・入札心得を確認してください。

※この記事は一般的な解説です。決まりは機関・案件ごとに違うため、必ずその案件の公告・入札説明書・入札心得を確認してください。

1. 「辞退」「無効」「落札者とならない」の違い

似た言葉ですが、意味が違います。

「失格」という言葉は、案件の資料によって使い方が違います。この記事では、入札心得などで「無効」とされるものと、「落札者とならない」とされるものに分けて説明します。

2. 入札の辞退:入札書を出す前なら取りやめられる

国土交通省関東地方整備局の「競争契約入札心得」第4条の2は、辞退について次のように定めています。

国土交通省航空局の「競争契約入札者心得」(令和4年10月26日改正)第4条の2にも、同じ趣旨の定めがあります。航空局の心得では、電子で入札する場合は辞退届もシステムの方法で出すこと、また競争参加資格の確認を受けた者が辞退届を出さずに提出期限までに入札書を出さなかった場合は、辞退したものとみなす旨も書かれています。

一方で、入札書を出した後は、自由には取り消せません。関東地方整備局の心得は「入札をした者は、その提出した入札書の引換え、変更又は取消しをすることができない。」(第4条第9項)としています。文化庁の入札説明書(令和4年度文化庁映画週間の企画運営)にも同じ趣旨の文言があります。

つまり、「迷ったら入札書を出す前に辞退届」が基本です。辞退届の様式・出し方や、辞退で不利益があるかどうかは機関の入札心得によって書き方が違うので、案件ごとに確認しましょう。

3. 無効となる入札:入札心得に並ぶ典型的な原因

関東地方整備局の入札心得第6条第1項は、無効となる入札として次の11項目を挙げています(航空局の入札者心得第6条第1項もほぼ同じです)。

  1. 「競争に参加する資格を有しない者のした入札」
  2. 「入札書の提出期限後に到達した入札」
  3. 「委任状を提出しない代理人のした入札」
  4. 所定の入札保証金(またはそれに代わる担保)を納めていない者の入札
  5. 入札書に添付することが求められている資料を出さない、または不備のある資料を出した者の入札
  6. 「記名を欠く入札」(押印を省略する場合に「本件責任者及び担当者」の氏名・連絡先の記載がない入札、電子入札システムの場合に電子認証書を取得していない者の入札を含む)
  7. 「金額を訂正した入札」
  8. 「誤字、脱字等により意思表示が不明瞭である入札」
  9. 「明らかに連合によると認められる入札」
  10. 「同一事項の入札について他の入札参加者の代理人を兼ね、又は2人以上の代理をした者の入札」
  11. 「その他入札に関する条件に違反した入札」

小さな会社やフリーランスの方がつまずきやすいのは、次のような点です。

文化庁の入札説明書(令和4年6月公告)でも、「入札件名及び入札金額のないもの」「入札金額の記載を訂正したもの」などを無効としています。また同じ説明書では、入札書には「見積もった契約金額の110分の100に相当する金額を記載した入札書を提出しなければならない」としています。消費税込みの金額をそのまま書くと、意図した金額と違う入札になってしまうので注意が必要です。

他社と相談しない(連合・談合)

「明らかに連合によると認められる入札」は無効とされます。公正取引委員会の「公共的な入札に係る事業者及び事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」は、事業者が共同して受注予定者や最低入札価格等を決めることを原則として違反とし、その決定は「明示の決定に限られるものではなく」、暗黙の了解でも足りるとしています。同じ入札に出る他社と、入札価格について情報交換することも違反の例として挙げられています。知り合いの会社と同じ案件に出るときは、価格や参加の意向を話さないようにしましょう。

4. 落札者とならない場合:予定価格・低入札・総合評価

予定価格を超えた入札は落札とならない

国の契約では、会計法第29条の6第1項が「契約の目的に応じ、予定価格の制限の範囲内で最高又は最低の価格をもつて申込みをした者を契約の相手方とするものとする」と定めています。関東地方整備局の心得第7条も、「予定価格の制限の範囲内で最高又は最低の価格」で入札した者を落札者とする、としています。

予定価格を超えた入札は、最も安くても落札者になりません。全員が予定価格を超えた場合について、予算決算及び会計令(予決令)第82条は「開札をした場合において、各人の入札のうち予定価格の制限に達した価格の入札がないときは、直ちに、再度の入札をすることができる」と定めています。文化庁の入札説明書では、再度入札に参加できるのは当初の入札に参加した者とし、紙で入札して開札に立ち会わなかった者は再度の入札に参加できない、としています。

安すぎる入札:国は「低入札価格調査」、自治体には「最低制限価格」も

価格が低すぎる場合の扱いは、国と自治体で仕組みが違います。

自治体の案件では、最低制限価格を下回ると落札者になれない場合があるので、公告や入札心得で制度の有無を確認しましょう。

総合評価:必須項目を満たさないと不合格

総合評価落札方式では、価格だけでなく提案内容も評価されます。文化庁の入札説明書(令和4年度文化庁映画週間の企画運営)では、提案書の必須項目について「満たしていないものについては不合格とする。」としています。また落札者は、入札価格が予定価格の制限の範囲内であり、総合評価点が最も高い者とされています。

提案書の評価で不合格になると、価格がどれだけ安くても落札者になれません。評価基準書(評価項目一覧)の必須項目は、提案書を書く前にすべて書き出して、漏れなく対応しているか確認しましょう。必須項目の扱いや、基礎点・加点の付け方は案件ごとに違います。

5. 電子調達システムで気をつけること

国の機関の案件の多くは、政府電子調達システム(GEPS、調達ポータルから利用)で入札できます。調達ポータルのFAQには、次のような注意があります。

関東地方整備局の心得では、電子入札システムで電子認証書を取得していない者の入札は無効とされ(第6条第1項第6号)、電子証明書を不正に使ってはならない(第4条の3第5項)とされています。ICカードの有効期限と、システムの操作に慣れておくことが大切です。

6. 提出前のチェックリスト

入札書を出す前に、次の点を確認しましょう。

まとめ

参考資料

※この記事は一般的な解説です。個別の入札書類の作成・提出の代行は行っていません。必ず各発注機関の入札説明書・公告・入札心得を確認してください。

※この記事は2026年11月時点で公開されている情報をもとに、AIがまとめたものです。引用した入札説明書等は掲載期限が過ぎると削除されることがあります。


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