ちいさな入札便

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解説記事

少額随意契約・オープンカウンター方式とは|小さな会社が「最初の1件」を狙いやすい官公庁の買い方

官公庁や自治体の仕事というと、「入札」「プロポーザル」のような大がかりな手続きを思い浮かべる方が多いと思います。

でも実際には、金額の小さい買い物や委託では、入札をせずに見積書を集めて相手を決めることが法令で認められています。これが「少額随意契約」です。そして、その見積の相手を発注者が選ぶのではなく、ホームページなどで公開して、条件を満たす人なら誰でも見積を出せるようにした方式が「オープンカウンター方式」です。

この記事では、Web制作・動画・翻訳・印刷・イベント・調査などの小さな会社やフリーランスの方に向けて、

をまとめます。

※この記事は制度の一般的な説明です。個別の案件の条件は、必ずその案件の見積依頼書・実施要領と、発注機関の窓口で確認してください。


1. 少額随意契約とは

国や自治体の契約は、一般競争入札が原則です。随意契約(入札をせずに相手を決める契約)は、財務省の解説でも「あくまで一般競争契約に対する例外的な契約方式」とされています。

その例外のひとつが、予定価格が一定の金額以下の小さな契約です。国は「予算決算及び会計令(予決令)」第99条、自治体は「地方自治法施行令」第167条の2第1項第1号で、金額の基準が決められています。

ただし「随意=自由に1社を選べる」という意味ではありません。財務省は令和7年3月の通知で、少額随意契約を内部監査の重点対象にし、複数の見積りを取っているか、不適切な分割契約がないかを確認するよう各省に求めています。つまり、少額随意契約でも複数の事業者から見積を集めて比べる(見積合わせ)のが基本の考え方です。予決令第99条の6も、随意契約をするときは「なるべく二人以上の者から見積書を徴さなければならない」としています。


2. 金額の基準(2025年4月1日から引き上げ)

少額随意契約の基準額は、令和7年(2025年)4月1日に引き上げられました。財務省の解説によると、国の基準額は昭和49年(1974年)以来の見直しで、1.6倍を基準に(50万円単位で切り上げ)引き上げられました。

国(予決令 第99条)

契約の種類改正前改正後(2025年4月〜)
工事又は製造(第2号)250万円400万円
財産の買入れ(第3号)160万円300万円
物件の借入れ(第4号)※年額又は総額80万円150万円
財産の売払い(第5号)50万円100万円
物件の貸付け(第6号)※年額又は総額30万円50万円
その他の契約(第7号)100万円200万円

「その他の契約」(第7号)は、工事・製造・買入れ・借入れ・売払い・貸付けのどれにも当たらない契約です。Web制作や翻訳などの業務がどの区分で扱われるかは発注機関が判断するので、気になる場合は見積依頼書の記載や窓口で確認してください。

自治体(地方自治法施行令 別表第5)

契約の種類都道府県・指定都市指定都市以外の市区町村
工事又は製造の請負250万円 → 400万円130万円 → 200万円
財産の買入れ160万円 → 300万円80万円 → 150万円
物件の借入れ80万円 → 150万円40万円 → 80万円
財産の売払い50万円 → 100万円30万円 → 50万円
物件の貸付け30万円 → 50万円30万円 → 30万円
上記以外のもの100万円 → 200万円50万円 → 100万円

(左が改正前、右が改正後)

自治体は「上限」。実際の金額は各自治体のルールで決まる

ここは注意が必要です。地方自治法施行令は、別表第5の額の「範囲内」で、各自治体の規則で定める額を超えない契約を随意契約にできる、としています。つまり別表第5は上限で、実際の基準額は自治体ごとの契約規則で決まります。

たとえば東京都文京区は、区の契約事務規則を改正し、施行令と同じ額への引き上げを令和8年(2026年)7月1日から適用しています。国の改正(2025年4月)と同時ではない自治体もある、ということです。気になる自治体があれば、その自治体の契約規則や「入札・契約」のページで確認しましょう。


3. オープンカウンター方式とは

少額随意契約で見積を集めるとき、発注者が知っている業者に声をかける方法だと、新しく参入したい会社には声がかかりません。

そこで使われているのがオープンカウンター方式です。財務省の解説では、「発注者が見積りの相手方を特定せず、一般競争契約に準じて公募形式により広く見積書の提出を募り」相手を決める、一定の競争性を確保した随意契約の一方式と説明されています。

流れは、おおむね次のとおりです。

  1. 発注機関がホームページ(国の機関では調達ポータルも)に見積依頼を掲載する
  2. 参加したい事業者が、仕様書をダウンロードして内容を確認する
  3. 期限までに見積書を提出する(持参・郵送・メール・電子調達システムなど、機関による)
  4. 予定価格の範囲内で最も安い見積を出した事業者が契約の相手方になる(同額ならくじ引き、とする例が多い)

入札と比べると、提出書類が少なく、手続きも短いのが特徴です。財務省の通知でも、これまで競争入札で行っていた契約が新たに少額随意契約の対象になる場合は、安易に随意契約にせず、オープンカウンター方式などの活用を検討するよう求めています。


4. 実際の実施例

オープンカウンター方式の中身は、機関ごとに「実施要領」で決められています。いくつか見てみましょう。

例1:大阪管区気象台(国)

例2:四国地方整備局(国)

例3:千葉市(自治体)

このほか、金沢市(事務用品・OA機器の物品購入で予定価格10万円超150万円以下、市内に主たる事務所があること等が条件)や、九州農政局(現在公開中の見積依頼を一覧で掲載)などでも実施されています。


5. 小さな会社が気にしておきたいポイント

① 資格(登録)が必要かどうかは「機関・案件しだい」

上の例のとおり、

と、条件はばらばらです。「オープンカウンターなら資格なしで出せる」とは限りません。見積依頼書・実施要領の「参加資格」欄を最初に確認しましょう。全省庁統一資格の取り方は、別の記事でまとめています。

② 自治体は「地元の事業者」に限る例が多い

千葉市・金沢市のように、市内に事務所があることを条件にしているところがあります。まずは自社の所在地の自治体から探すのが近道です。

③ 金額は税込か税抜か

大阪管区気象台の要領では、見積書は消費税込みの総価格で書くこととされています。入札書は税抜で書く案件も多いので、取り違えないよう注意してください。

④ 一度出した見積書は変更できない

大阪管区気象台・四国地方整備局のどちらの要領も、提出後の差し替え・変更・取消しは認めていません。期限を過ぎた見積書も無効です。

⑤ 安すぎる見積にも注意

価格だけで決まるからといって、無理な値下げは禁物です。仕様書の作業量(納品物、修正回数、打ち合わせ、期間)を積み上げたうえで、赤字にならない金額を出しましょう。


まとめ

金額が小さい分、仕様もシンプルなことが多く、官公庁の仕事の流れを知る「最初の1件」として検討しやすい方式です。自社の業種・地域に合う見積依頼がないか、まずは近くの機関のページを見てみてください。


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参考資料

※この記事は2026年10月時点で公開されている情報をもとに、AIがまとめたものです。個別の案件は必ず原文・発注機関で確認してください。

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